買取の情報を調べていると、同じ機種なのに「SIMフリー版」と「キャリア版」で扱いが分けて書かれていることがあります。見た目も性能もほとんど同じなのに、なぜ区別されるのかと疑問に思った方もいるでしょう。
結論を先に言えば、同じ機種でもSIMフリーかキャリア版かで評価が変わることはあります。ただし、その差は端末そのものの性能ではなく、「次に使う人にとって使いやすいかどうか」から生まれています。ここを理解しておくと、査定の説明も納得しやすくなります。
この記事では、SIMロックの廃止をめぐる現在の状況、買取に影響しやすい4つのちがい、そして自分の端末がどちらなのかを確かめる方法を、編集部の視点で整理します。
SIMフリーとキャリア版は何が違うのか
キャリア版とは、通信会社が自社の店舗やオンラインショップで販売した端末を指します。一方SIMフリー版は、メーカーの直販や家電量販店などで、回線契約と切り離して販売された端末を指すのが一般的です。
かつては、キャリアが販売する端末に対して、他社のSIMカードでは使えないようにする「SIMロック」がかけられているのが普通でした。そのため、キャリア版を中古で買った人が別の回線で使いたい場合には、ロックの解除手続きが必要でした。
この状況は制度の見直しによって変わっています。総務省の指針が改められ、現在では2021年10月以降に発売された端末には原則としてSIMロックをかけない扱いになりました。それ以前に発売された端末についても、条件を満たせば解除に応じる運用が広がっています。つまり、比較的新しい端末であれば、キャリアで買ったものでもロックがかかっていないケースが多くなっています。
ただし、それ以前のモデルではロックが残っている端末も流通しています。手元の端末が古い場合ほど、状態の確認が必要になると考えておくとよいでしょう。
買取に影響しやすい4つのちがい
SIMロックの有無以外にも、キャリア版とSIMフリー版にはいくつかの違いがあります。査定に影響しやすいものを順に見ていきます。
1. 使える回線の広さ
中古端末を買う人にとって、どの回線でも使えるかどうかは大きな判断材料です。SIMフリーの状態であれば、購入した人が自分の契約している回線をそのまま挿して使えます。買い手の範囲が広いぶん、在庫が動きやすく、評価にも反映されやすいという関係です。
反対に、SIMロックがかかったままの端末は、使える人が限られます。その結果、同じ機種・同じ状態でも評価が抑えられたり、店によっては受付の対象外になったりすることがあります。
2. ネットワーク利用制限の有無
キャリアで分割払いにより購入した端末は、支払いが完了するまでキャリア側で端末の識別番号が管理されます。支払いが滞った場合、その端末の通信が止められることがあり、中古市場ではこれを避けるために購入前の確認が行われます。
一方、一括で購入したSIMフリー版は、こうした分割払いとの紐づきがないため、原則としてこの確認の対象になりません。買い手にとってリスクが小さいぶん、安心して選ばれやすいという側面があります。仕組みの詳細は赤ロムとネットワーク利用制限の記事をご覧ください。
3. プリインストールアプリと型番の違い
キャリア版には、通信会社独自のアプリがあらかじめ入っていることがあります。初期化しても残るものもあり、中古で買った人にとっては使わないアプリが並ぶことになります。大きな減点になるとは限りませんが、SIMフリー版のほうがすっきりしていると受け止められる場合があります。
Android端末では、同じシリーズでもキャリア版とメーカー直販版で型番そのものが異なることがあります。査定では型番が識別の基準になるため、申し込みの際は正確に伝えることが大切です。ブランドごとの事情はAndroid機種別の買取事情でも触れています。
4. 海外や他社回線での使いやすさ
SIMフリーの端末は、海外に行ったときに現地のSIMカードを入れて使える可能性があります。この点を理由に中古のSIMフリー端末を探す人もいるため、需要の裾野が広がります。
ただし、実際に使えるかどうかは端末が対応している周波数帯にもよるため、SIMフリーであれば必ずどこでも使えると言い切れるわけではありません。あくまで選ばれやすい要素のひとつ、という位置づけです。
| 項目 | SIMフリー版 | キャリア版 |
|---|---|---|
| 他社回線での利用 | そのまま使えることが多い | ロックが残っていれば解除が必要 |
| ネットワーク利用制限 | 一括購入なら原則対象外 | 分割払いの場合は確認対象 |
| 独自アプリ | 基本的に入っていない | 入っている場合がある |
| 買い手の広さ | 広くなりやすい | 条件により狭まることがある |
| 査定への影響 | 評価が付きやすい傾向 | 状態次第で差が出ることがある |
自分の端末がどちらか調べる方法
手元の端末がSIMフリーの状態かどうかは、端末の設定画面から確認できます。
iPhoneの場合
設定アプリを開き、一般から情報へ進みます。画面を下にスクロールしていくと「SIMロック」という項目があり、ロックがかかっていない端末では「SIMロックなし」と表示されます。ここでロックありの表示が出ている場合は、購入したキャリアの手続きで解除できるか確認しましょう。
なお、この表示はiOSのバージョンによって位置や名称が変わることがあります。見つからない場合は、キャリアの会員ページから端末の情報を確認する方法もあります。
Androidの場合
Androidは機種によって表示場所が異なります。設定の中の端末情報やSIMカードの項目に、ロック状態を示す表示がある機種もあります。分かりにくい場合は、購入したキャリアの会員ページで対象端末のSIMロック状態を確認するのが確実です。
もうひとつの確認方法として、手元に別の回線のSIMカードがあれば、実際に入れて通信できるかを試す方法もあります。ただしSIMの抜き差しではトレイやピン穴を傷めることがあるため、慎重に行ってください。
ロックがかかったままの端末はどうすればよいか
SIMロックが残っている端末は、売る前に解除しておくのが基本です。多くのキャリアでは、会員ページからの手続きであれば手数料なしで対応しています。店頭での手続きは手数料がかかる場合があるため、事前に条件を確認しておくとよいでしょう。
解除には端末の識別番号が必要になることが一般的です。設定画面の情報からIMEIを控えたうえで手続きを進めます。解除が完了したら、その状態で査定に出すと余計な確認のやり取りを減らせます。
解除が難しい端末でも、そのまま受け付けている店はあります。ただし評価には差が出やすいので、複数の店の条件を見比べてから決めるのが現実的です。同じ端末でも金額が変わる理由は査定金額に差が出る理由でも解説しています。
なお、売る前の準備としては、初期化やデータのバックアップも同時に進めておくと二度手間になりません。全体の流れはスマホを売る前の準備にまとめています。
まとめ
SIMフリーとキャリア版のちがいと買取への影響を整理しました。
- 制度の見直しにより、2021年10月以降に発売された端末は原則SIMロックがかからない扱いになった
- SIMフリーの状態は買い手の範囲が広く、評価が付きやすい傾向がある
- キャリアの分割払いで購入した端末は、ネットワーク利用制限の確認対象になる
- iPhoneは設定の一般から情報を開き「SIMロック」の表示で状態を確認できる
- ロックが残っている場合は、売る前に会員ページから解除しておくとやり取りが減る
